メゾン マティン「ディスカバリーセット オリフレッシュ9種」|キャンディーのようなパッケージが激カワ香水

ポップなイラストと軽やかな香りが人気のフランス発香水ブランド「メゾン マティン」(以下メゾンマティン)は、日本に上陸してからその可愛さで注目を浴び、比較的使いやすい香りもあってか長らく品切れ状態が続いていました。私自身も初めてメゾンマティンを見た時は「何これ!ボトル全部欲しい!」と本気で思いましたし、今でもメチャクチャ欲しいです。

そんな魅力的な香水ブランドから新作の3種類が登場し、香りのお試しができるディスカバリーセットまでリストックとなれば、これは試さずにはいられないでしょう!!

新作の3種がセットになったディスカバリーセットもありましたが、初のメゾンマティンということで、ここは9種全てを試せるディスカバリーセットをチョイス。

大人気のせいか、私が購入した時は発売30分後くらいには完売になったようです。あぶねー、運良く滑り込めたようです。

さて、それではさっそく全ての香りについてレビューしていきます。

「ロスト イン トランスレーション」★☆☆☆☆

パッケージがメチャクチャ個性的な「ロスト イン トランスレーション」。不覚にも包装紙をなくしてしまったのですが、コロナ渦の混乱と新たな世界が到来する覚悟をテーマにした香水だそうです。

トップ|クリーンアコード、バイオレットリーフ、ジュニパー

ボディ|ローズウッド、ブラックペッパー、ホワイトティー

ベース|パチョリ、ドライウッド、タバコ、レザー、クラウディムスク

手首にワンプッシュすると、最初はジュニパーやホワイトティーなどのすごく良い香りがしました。しかしそのものすごく良い香りはすぐに消えていき、タバコやレザーの強烈なスモーキーに変わっていきました。タバコもレザーも私の肌だと強烈に香りやすいのか、配合によってはかなり苦手な系統になってしまいます。特にタバコはダメだ。

「ロスト イン トランスレーション」は残念ながら、つけているには苦しいほどの強烈なスモーキーに変わっていき、ついには野性的な獣の様な、凄まじく強烈な香りへ変化しました。

家族が「なにこの臭い!?なんか焦げてる!?動物臭もするんだけど!?」と大騒ぎになったので、相当だったのでしょう。

急いでお風呂に入って、服も洗いましたが、それでも臭いがとれません。明らかに私のスキンと混じることで激烈になったので、合わないんだなと分かりました。

焦げた臭いという部分は「ロスト イン トランスレーション」のコンセプトにいくらか沿っている気がしますし、最後まで楽しめれば何かが変わったのかもしれません。実際他の方のレビューでは、強いスモーキーを超えると急に優しく穏やかになって良い香りになったとありました。

残念ながら私の場合は家族も驚くほどの激臭になり、ラストノートへ到達するのは叶いませんでした。合えばかなりスタイリッシュでなんともいえない存在感を放つ、素敵な人を演出できると思います。

「ナチュール アンソロント|自然の反乱」★★★★☆

「ナチュール アンソロント」はロックダウンによって人が出歩かなくなった世界で動植物が元気に動き出し、私達人間も生き方を変えていく、といったようなコンセプトの香水です。

トップ|オレンジ、レモン、ベルガモットオレンジ

ボディ|スズラン、ミント、ハニーメロン

ベース|ベチバー、シダーウッド、ムスク

この香水をお腹につけてみた瞬間、青い!フレッシュ!!オレンジとメロンとミントのおかげか、どこまでもフレッシュ!!ジューシーかつ絶妙な透明感があります。

メロンの瓜感が思ったよりも持続するためか、青くてみずみずしい不思議な香り。少し時間を置くと甘さが和らいで優しい香りに。おそらくスズランのおかげだと思います。これは正直、人の香りじゃないと感じました。植物が活き活きしている感があり、まさにボトルデザイン通りの香りです。その後、高い湿度と温度のせいか、少し甘ったるくなりました。暑い季節に温度の高いお腹につけるのはあまり良くないと実感しました。

次に手首につけてみたら、基本的にはお腹の時と同じ香りなのですが、残り香が違う!!お腹は甘さが際立ちましたが、手首は残り香が石鹸みたいで甘すぎず、清潔感を感じます。結論をいうと、このブランドの中では一番しっくりきた気がするので、ボトルを購入してもいいかもしれません。ディスカバリーセットのアトマイザーを使い切ってもまた使いたい、または無いと寂しいと思ったなら、それはお迎えの合図ですね。

温度が高いと甘さがたちやすいみたいので、腰から下につけて楽しみたいです。基本的にオールシーズンいけそうですが、香りの系統から春から初夏がよく似合うと思います。

「プンプン|あるがまま」★★☆☆☆

「プンプン」はコロナ後の新しい世界であるがままに生きる祝祭をテーマにした香水で、新作3種の中でも特に人気の香りです。

トップ|ローズ、マンダリンツリーフラワー、オレンジキウイ

ボディ|オーキッド、ピオニー、フリージア、ローズ

ベース|ムスク、サンダルウッド、エボニー、バニラ

さっそく手首にワンプッシュしたら、とにかく甘ったるい香りでびっくり。ベースにサンダルウッドとバニラという重い構成のせいかもしれません。特にサンダルウッドは私の肌自身もその香りを持っているせいか、非常に強力に香ってしまいます。オレンジキウイは魅力的なのですが、ミドルでとにかく重い甘さが苦しくなって洗い落としてしまいました。

試しにお腹につけてみたら、最初は若干グリーンぽさがある香り。たぶん、キウイやマンダリンのおかげです。果実の良い香りがしたのですが、途中からやっぱり甘ったるくなって、ラストにかけては整髪料のような不快な香りになってしまいました。なんとかラストまではいったものの耐えきれず、体を洗って服も着替えました。

人気だからといって自分に合うとは限らないのですが、それにしてもパッケージがすごくかわいいので残念です。

「イントゥ  ザワイルド|分け入っても密林」★☆☆☆☆

分け入っても密林、いいですねこのタイトル。ボトルデザインのヒョウと植物もGOODです。ベースのチョコレートも楽しみでなりません。

トップ|カルダモン、ジュニパーベリー、ペッパー、”探検”

ボディ|ジンジャー、マグノリア、フランジパニ、”未知”

ベース|チョコレート、”行動”

お腹にワンプッシュすると、何かの植物っぽくて変わった香りがしました。つけた瞬間のスパイス感や森のような雰囲気はまさに密林、嫌じゃありません。でも、期待したチョコは最後まで全く感じられず、ヌルッとした香りも気になりました。もしかして、ヌルッと感がチョコレートだったのかな?

納得いかなかったので今度は手首にワンプッシュしてみたら、ヌルッとしたウッディーというか、グリーンが気持ち悪くなってしまって、ラストまでいけずに2度洗いしてしまいました。それでも残り香が不快に感じてしまうレベルです。

カルダモンやペッパーやジンジャーなどのスパイス、チョコレートが私の肌ではうまく香らなかったようです。パッケージとタイトルが刺さっていただけに、良さが引き出せなかったのが悔しいです。

「アザーバザー|新たな挑戦」★★☆☆☆

ダビデ像となんとなく銭湯っぽいデザインが素敵な「アザーバザー」。構成は以下の通りです。

トップ|花椒、”偶然性”

ボディ|ローズ、アンブロキサン、”大胆”

ベース|パチョリ、トンカマメ、バニラ、ムスク、”混合”

お腹にワンプッシュすると、花椒のピリッと感がきてハッとしました。つい目を見開いちゃった。後述するアバンロラージュよりは断然つけていられる香りなのですが、トンカマメとバニラとアンブロキサンという甘いに甘いを掛け合わせたようなベースのせいで、甘さがすごいです。

手首につけると最初は花椒のピリッと感がありますが、やはりメチャクチャ甘い!ミドルは甘すぎて酔いそうです。なんとか耐えていると甘さが少し落ち着いてきましたが、それでも強い甘さです。簡単にいうと、バニラアイスを手首にベッタリとつけているみたいです。最後はひたすら甘いのに加えて、なぜか和服を着た高齢の方のような香りに。なんか思ったのと違う。

たぶん、私が甘すぎるのがそこまで好きではないのと、トンカマメがあまり得意じゃないのだと思います。バニラはまだいけますが、トンカマメが入るとだいたいしんどくなるので、そうじゃないかなーと予想しています。

「アザーバザー」は欲しいという方に譲ってしまいましたが、とにかくパッケージが好きなんですよね。甘さがたちにくい真冬にリベンジできないかな。

「エスプリ ドゥ コントラディクション|反駁の精神」★☆☆☆☆

ちからこぶが出るたくましい腕にアヒルちゃんが乗っているという、個性的でかわいいボトルデザインが大好きです。構成をみても、爽やかさと力強さがある香りであると予想できます。

トップ|イエローマンダリン、レモン、ブラックペッパー、コリアンダー、”魂”

ボディ|ジンジャー、イランイラン、アイリス、クローブ、”声”

ベース|ムスク、ベチバー、セージ、シダーウッド、”信念”

手首にワンプッシュしてみると、最初は青いレモンのようにハッキリとしたシトラス。これはなかなか良いシトラスです。その後すぐにかなりマッチョな香りに変化しました。甘さと柔らかさは感じられない、ハッキリとした力強い感じ。

うまく香ればとても素敵なのですが、私の肌だとお父さんの整髪料のような香りに感じてしまいました。

ゴリゴリのレモンとかカッコよさのあるシトラス系は私の肌には合わないのか、整髪料のような香りに変わりやすいんですよね。シトラス自体は好きなので、なんとか私に合うものを見つけたい。おそらくお茶が入るとフィットしやすいんじゃないかなーと考えています。

「ワルニワルニ|こっちにおいで」★★☆☆☆

ノーズショップではお茶系香水として紹介されている「ワルニワルニ」。構成をみると、ハーブディーといったところでしょうか。

トップ|ティー、カルダモン、”共有”

ボディ|フリージア、オレンジフラワー、”人々”

ベース|シダーウッド、クマリン、ムスク、”遊び場”

手首にワンプッシュするとカルダモンのスパイシーからスタートして、すぐにオレンジと紅茶が出てきます。その後はフリージアやオレンジフラワーなどの優しい香りに移行。だけどどこか、私が苦手なヌルッとした感じがします。なんでだろう?もしかしたら、オレンジフラワーのせいかも。私、ネロリのヌルッとした香りが苦手なのです。たぶん、それと似たような感じなのでしょう。

さらに残念なことに、トップの紅茶はすぐにどこかにいってしまって分からなくなってしまいました。もっと紅茶を感じたい私としてはあまりお茶系香水とはいえないうえに、フローラルに寄り過ぎに思いました。逆にあまりお茶系は期待せずに、フリージアやオレンジフラワーが好きな方にはハマるかもしれません。

「バンドゥミディ|真昼間の海」★★☆☆☆

ビーチを楽しむ人達が描かれたボトルが超絶かわいいです。ほんのりピンクの香水も雰囲気抜群で、もうすごく好きなボトルデザインです!構成も夏全開で、明るく楽しい雰囲気が伝わってきます。

トップ|ベルガモット、ココナッツ、”生きる”

ボディ|ティアレフラワー、イランイラン、ガーデニア、”砂浜と太陽”

ベース|バニラ、ムスク、”明るさ”

手首にワンプッシュした瞬間すごく白い花の香り!花の香りが多用されているので当然といえばそうなのですが、最初はベルガモットの爽やかな心地良さとココナッツの香りがくると思っていました。

しかし実際はトップの構成は全く香らず、最初からお花全開!なんだかユリを主にした白い花束を胸に抱きしめているみたいです。

とっても華やかで明るい香りなのですが、ユリに鼻を突っ込んでいるような状態がずっと続くのはキツイ。ほんの少し香る程度なら嫌いじゃないのですが、私のスキンでは元気になり過ぎてエネルギーがあり余るらしいです。そこにバニラの甘さも加わってくるのでもうエネルギー全開。お腹いっぱいです。

パッケージはすごい好きなんですよ!ほんのり香る程度なら良かったのにな~~!

「アバン ロラージュ|嵐の前」★☆☆☆☆

メゾンマティンがリリースしている香水の中で最も人気といっても過言ではないのが、この「アバン ロラージュ」です。手首にバラというなんとも怪しげで美しいボトルデザインが素敵。

トップはピンクペッパーですね。ペッパーでもピンクペッパーの香りは好きなので良し!その他はカラメル香のするベンゾインにバニラ…これは甘々な予感。そこに、ウッ!サンダルウッドとトンカマメか・・・濃厚な甘みを持つうえに強烈になるやつが加わるとは。

構成だけみてもかなり甘いのが分かります。例え人気は高くても、これは個人的に難しいかも・・・。

トップ|ピンクペッパー、”感情”

ボディ|ジャスミンサンバック、ベンゾイン、”喪失”

ベース|バニラ、サンダルウッド、トンカマメ、ムスク、”矛盾”

とにかく試してみるべし。手首にワンプッシュした瞬間、甘くとろりとした香り。この一瞬は本当に良い香りなのですが、すぐに強烈な化粧の匂いがしてきます。私、このパウダリー香が大嫌いなのです・・・。そこにミルキーも加わって、家族に体臭がキツクなったと勘違いされました。

強烈な化粧臭とミルク感のある体臭臭さに打ちのめされて、すぐに洗い落としました。それでも脂肪臭い体臭のような香りが残ったので、とにかく強烈です。

私の肌が持つサンダルウッドと香水に入っているサンダルウッドが合わさって、香りのバランスが大崩れしたのかもしれません。とにかく私には難しい香りでした。

これを使うと強烈なミルク臭い体臭の人と思われる可能性があるし、香害になる危険性が高いので、残念ながら使えません。

まとめ

あくまで個人的な感想ですが、メゾンマティンは全体的に砂糖のような甘さが目立ったうえに、ラストノートが大体どれも同じような香りになると感じました。バニラやサンダルウッド、トンカマメの印象が強いからかもしれません。

そして意外にも、あまり気にしていなかった「ナチュールアンソロント」が一番しっくりきました。トップはオレンジ、レモン、ベルガモットオレンジとめっちゃシトラスなのですが、ボディにスズラン、ハニーメロンと割と得意な香料が使われているうえに、ミントが良い仕事をして甘ったるくなりすぎない。ベースにバニラやトンカマメという甘い香料や、個人的に地雷っぽいサンダルウッドも入っていない。

あ、「ナチュールアンソロント」が私に一番合うのも納得の構成でしたね。

また、メゾンマティンは全体的にパッケージがすごく好きで、瓶だけでも並べておきたいくらいです。中身を使わないのはもったいないので、瓶だけでもぜひ手に入れたい!! 「ナチュールアンソロント」以外にピッタリ合う香りが見つけられなかったのは残念ですが、これも経験、試さなければ分からなかったことです。むしろ、1つ見つかっただけでも良かったのかもしれません。これを糧にして、つい手が伸びるくらい良い香りを探したいです。