KO-GU「みんなの鼻プロジェクト」に参加させていただいた感想

ムエットやアトマイザーなど、NOZESHOPさんにはよくお世話になっているのですが、この度KO-GUという自社ブランドを立ち上げることになったようです。

KO-GUのコンセプトを簡単にご紹介すると、年齢や性別を問わず生活の一部として、香りを身近なものとして楽しんで欲しいという思いで立ち上げたブランドです。

そのため、KO-GU(香具)は以下の5つのNOを掲げています。

①アート
香水に欠かせないアート性であるストーリーとヴィジュアルを極限までカットし、ユーザーに香りの創造性を委ねる。

②ハイプライス
「香水は高すぎて買えない」「香水の容量が多すぎて使い切れない」といった声に応えて、最高品質を保ちながら様々な無駄を排除して、使いやすい香水として提供する。

③コモンセンス
「香水はこう使うべき、こうあるべき」など、「べき」という常識を忘れて、好きに使って欲しい。髪にも体にも洋服にも、部屋の香りにも使えるし、好きな香りをカスタマイズして使うこともできる。

④ジーニアス
歴史に名を残す名香ではなく、日常に溶け込むシンプルな香りを提供する。

⑤インパクト
動物実験を否定し、動物由来の原料を使用しない。環境負荷を抑えるのも当然のものとしてプラスチックを減らし、再生紙を利用し、輸送時のCO2排出を抑えることに取り組む。

香りを楽しむマインドをしっかり持ちながら、環境や動物にも配慮する精神にグッときました。これはぜひとも試してみたい。

そう考えていたら、KO-GUさんが「みんなの鼻プロジェクト」という企画の研究員を募集しているのを発見しました。簡単な課題が与えられる程度で誰でも応募できるものでしたが、〆切がなんと、この情報を見つけた数時間後!

「ギリギリすぎるやろ!!」でしたが、「この情報にぶち当たったということは何かしらの縁があるかもしれん。試す価値はある。」と思ったので、さっそくトライ。まぁ、応募数も相当なものだったようなので、当選すればスーパーラッキーくらいに軽く考えて応募してみました。

数日後にポストを確認したら、なんかコンパクトな茶色い箱が入っている。確認したらKO-GUとの文字が。なんと、鼻の研究員に当選していました。いやー、やってみるものですね!

内容は6種の香りがセットになったキットで、その香りに対する感想や、連想できる色や言葉を専用フォームから贈るようになっていました。キットは全5種類で、私に送られてきた香りは以下の通りでした。

  1. スペアミント
  2. ブラックティー
  3. ジャスミン
  4. ラベンダー
  5. サンダルウッド
  6. モス

KO-GUの香りにはストロベリーやアップル、バナナやマンダリンなどのフルーツ系が多く取り揃えられており、ココアやキャラメルなどのグルマン系やお茶系などもあります。

送られてきた6つの香りのうち4つは香水を構成する王道の素材達であり、かつ結構個性的な香りが集まった気がします。

「みんなの鼻プロジェクト」ではKO-GUさんに送れる感想の内容や文字数等が限られているので、この場で改めて自由に感想を述べてみようと思います。あ、ついでに手持ちのマスカットについてもレビューします。

ちなみに私の肌はウッディースキン寄りで、日本人に一番多いスウィートスキンとは違った香り立ちをする可能性が高いので、参考程度にお願いします。

スペアミント

【ムエット】
香ってみてビックリ!ガムや歯磨き粉のような香りかもしれないと警戒していたのですが、それとは全く違います。まるで野菜のように瑞々しくてフレッシュな香りで、すごく青っぽさも感じて驚きました。ムエットだと和紙の香りが混ざるので、ウリ感がより強く感じられるかもしれません。

【肌につけてみた】
とても淡い、優しいミントです。香料のミントとはまるで違う、圧倒的に自然で優しく、清々しい香りです。10分以上経つと、清涼な空気が鼻を吹き抜けるような爽快感が出てきます。 そして30分以上経つとスキッとした清涼感が和らいで、優しいミントがふんわり香るようになります。そこからはミント特有の爽快感を最後まで残しながら、柔らかく消えていきます。うーん。これは仕事の合間に単体でつけるとリフレッシュになるかもしれないです。優しい爽やかさがあるので、ブラックティーと合わせてミントティーを試してみたいです。

ブラックティー

【ムエット】
和紙の香りが強いのか、ウリ感のある香りがしちゃっています。うーん、和紙の香りって結構強力なんですね。言い換えれば、KO-GUの香り立ちがとても優しいともいえます。

少し待っていると奥から若干ブラックティーの香りがする気がします。ちょっとムエットだと分かりにくいので、この香りは肌に付けないと真価が分からないかもしれません。

【肌につけてみた】
吹き出し口を嗅いでみると紅茶を感じるのですが、肌に吹きかけた瞬間、柑橘の皮か!?と勘違いするほどとっても爽やかな香りがします。想像していたブラックティーと違う!もっとしっかりした紅茶の香りだと思っていたので、思わずパッケージを確認してしまいました。うん、ベルガモットじゃない、ブラックティーって書いてある。

数分経過すると、すごく木の幹みたいな強いウッディー感が出てきます。正直いうと、私の肌だとウッディーが強すぎて紅茶があまり分かりません。

あ、10分以上経つとほんのりお茶があるかな~。でも本当に微かなうえに強いウッディーのせいで漢方みたいです。良くいえばプーアル茶です。

他の方達のレビューにあるような蒸らしたての紅茶の香りを期待していたのですが、全然違う結果となりました。

重ね付けについては別の記事で詳しくレビューするのですが、私の場合は他の香りと重ねてみた方が良い香りになりましたし、きちんとお茶(ただし中国茶)になりました。

ジャスミン

【ムエット】
ムエットに吹きかけた瞬間、バナナに少し似た甘くてとても良い香りがします。これがジャスミンなのか!?と驚きました。ネイルオイルなどの、どこかねっとりとして鼻の良さも何も感じないジャスミンの香りが嫌いだったのですが、これは全くの別物です。こんなに透明感のある花の良い香りだったの!?

時間がたつと花の香りが目立ってきます。ハンドクリームとか、ジャスミンの香りを添加したオイルにあるような香りです。

【肌につけてみた】
肌だとムエットとは違い、最初は花の香りが目立ちます。でもきつくはなく、若干バナナに似た南洋の植物のような、少し美味しそうな甘さが奥にあります。全然ネットリした香りじゃないし、臭くありません。むしろ良い香りです。ジャスミンは苦手だと思っていましたが、KO-GUのジャスミンは今までのジャスミンとは全くの別物なので、新しい香りの道が開いた気がします。

10分ほど時間が経つと華やかな花の香りが落ち着いてきて、丸みのある甘い香りがしてきます。この時点でムエットとは全く香りが異なります。バナナ感を残しながらも、少しバニラのような、なんか美味しそうな甘い良い香りに変化していきます。

最初は華やかな花の香りが強かったのですが、だんだんと丸みが出て、バニラとバナナが香るグルマン系になっていきました。

無理に重ね付けしなくても、これだけで十分に香水として成立する香りです。あえて重ね付けするなら、ウッディー系を加えて重みを与えるか、フレッシュな香りを加えて軽さを与えても面白いかもしれません。

しかしすごく良い香りです。フローラルからグルマンまでいける贅沢な香りに感動しました。この香りと同じ系統にニコライのキスミーアンタンスがありますが、あれはジャスミン以外の花も多用していてフローラルがキツいため、このジャスミン1本の方がつけやすいです。

ラベンダー

【ムエット】
吹きかけた瞬間はスパイシー、そしてすぐに草花の青さと、砂糖ともハチミツとも違う透明感のある甘味が出てきます。花から出る透明なジュースって感じ?少しミントのようなスッとした感じもします。時間が経過するにつれて、妙にレトロな香りになってきました。

【肌につけてみた】
吹きかけた瞬間はやはりスパイシーです。そこからまさにハーブ園そのものの香りがしてきます。そしてミントのようなスッと感が追いかけてきます。良くいえばミント、悪くいえば薬草です。その後に妙なレトロな香りがしてくるのもムエットと同じです。

うーん、私の肌には合わないみたいで、あまり良い香り立ちではありません。様々な香油を業熟したような香りが肌からずっと香るのはしんどいです。 そのまま2時間ほど置くとなんだか柔らかさよりも、カッコよさを感じる香りに変わりました。フゼア系というのでしょうか?あれの男性的な部分はもしかして、ラベンダーなのかもしれません。フゼア系やマッチョな感じがする香りは合わないので、なんだか納得しました。

サンダルウッド

【ムエット】
最初はスーッとした不思議な清涼感があり、その後すぐにミルキーでまろやかな甘い香りがしてきます。なんか、ココナッツミルクを使ったアジアのお菓子みたいな香りです。優しくミルキーで、ちょっとグルマンかもしれません。

ムエットと肌だと、全然香りが違いました。ムエットだとひたすらココナッツ菓子、または杏仁のような香りがしています。いずれにしてもオリエンタルな雰囲気です。

【肌につけてみた】
吹き付けた瞬間はちょっとスパイシーでウッディーな香りがします。数分経つとココナッツのような杏仁のような、ミルキーでまろやかな甘い香りがしてきました。私の肌だとちょっとウッディーな香りも奥から出てきますね。この時点からオリエンタル感が強まって、ムエットとは全く違う香りになっていきます。

香木を燃やしているよな、少し焦げたような香りも感じます。私の肌だと甘い香りに加えてウッディーがなかなか強く出るのか、重い香りです。だんだんお香を焚いている和室みたいな雰囲気になってきますが、お寺とはまた違うような・・・畳の部屋で香木を燃やしているという感じの方が合っています。

私の肌自体がサンダルウッドの香りを持っているせいか、そこにサンダルウッドを重ねることで強烈なお香になるのだと思います。家族にも「凄い香りがしてくる」と顔をしかめられたので、残念ながら私には合わないようです。部屋の離れたところにいた家族に言われるなら、外で付けたら香害になる恐れがあります。

どうしてもつけたいなら、ティーや柑橘系などスッキリした香りと合わせて軽くするといいかもしれません。それかスペアミントとか、軽めのグリーンがあればそれと合わせるのも良いかも?試さないと分からないのですが、私自身このサンダルウッドの香りに酔ってしまってつけるのは苦しいので、残念ながら重ね付けを試すのはムリです(==;)

そういえば、オーケストラパルファムのピアノサンタルってサンダルウッドだな~。ミルキーみたいな香りのようで、かなり人気の香水です。ベルガモットやシダーウッド、キャラウェイなど入っているので、もしかしたら使えるのかな?

サンダルウッドを身に付けるには難しい肌質ですが、ちょっと試してみたい気持ちはあります。

モス

【ムエット】
すんごいグリーンです。無印のフレグランスコーナーの香りそのものって感じ。不思議と少しライムのような柑橘感があります。

【肌につけてみた】
肌の方がムエットよりも香り立ちが優しいですが、やっぱりライムのような青い皮の柑橘が香る気がします。不思議だ、モスだけのはずなんだけど・・・。モス自身にこのような爽やかな香りがあるのでしょうか?

数分置くと雨に濡れたような緑の香りがしてきて、さらに不思議が深まります。なんだこれ、ただのグリーンじゃありません。少し土気を感じるような優しいグリーンです。湿気を持ってムワッと立ち上る苔の香りって、こんな感じなのかもしれません。

おまけで手持ちのマスカット

【ムエット】
ムエットに吹きかけた瞬間はキュウリのようなかなり青い香りがします。そこから果肉感も出てきますが、謎のハーブ感もあり、そのハーブ感がだんだん強くなってきました。マスカットのあのフルーティーな良い香りは感じませんでした。

【肌につけてみた】
ムエット同様、とても青い香りから始まります。マスカットの皮感といえばそうかもしれません。トップノートはオレガノのような謎のハーブ感が強いです。体調によってかなり香り立ちが変わるのか、1回目のテストはマスカットらしい甘い果実感が感じられたのですが、2回目のテストではピリッとしたハーブ感が強かったです。

いずれにしても、もったりした香りになってきて、気持ち悪くなって洗い落としてしまいました。うーん、私の肌では単体で使うのは難しそうなので、何かと組み合わせると良いかもしれません。

【まとめ】

KO-GUの香りを試した後にNOZESHOPさんで買った「レジーム デ フルール」や「ザハウス オブ ウード」、「エタリーブルドオランジェ」などのアトマイザーの噴出口をいくつか嗅いでみました。さすが世界屈指の調香師さん達の香りは美しく、とても心地良いです。ここまで美しくて良い香りをKO-GUの香りを組み合わせて作るのは、私にはハードルが高いです。改めて調香師さん達の力を再確認したと共に、私は自分で香りをカスタマイズするよりも、調香師さん達のお世話になろうと思いました。

それでもサンダルウッドやモス、ラベンダーなど香りの構成によくある顔ぶれがどんな香りなのか知ることができたので、良い体験ができました。

あと、KO-GUのジャスミンは本当に良い香りだったし、ニコライのキスミーアンタンスと同系であると同時に、付けやすさでキスミーアンタンスを超えていました。これはマイ香水に加えるのもありだな~と考え中です。