絵が上手くなりたい!と思う人が多い中で、
模写がいいとか意味無いとか、
模倣はダメだトレースがなんだとか、
いろんな議論が飛び交っているのをよく目にします。
「結局どれがええねん!!!」
と悩んで叫びたくなる人もいるんじゃないでしょうか?
私個人の意見としては、
すべて考えながらやること前提で、
「どれもやっていいよ!」です。
「あれやっちゃだめ!」とか、
「これは無駄!」とか、
そんな減点方式だと絵が楽しくなくなっちゃいます。
それに、もしかしたら全てを同じレベルで
考えるから混乱するのかもしれないです。
絵を描くという行為については、
全く描いたことがないとか、
楽しみで少しでも描いた事があるなど、
取っ掛かりの段階が違うので、
それぞれのレベルに合わせてやればOKです。
模写や模倣は人によって解釈が違うかしら?と思うので、
ここでは私の考えも交えてお話します。
模写・模倣・トレースの違い
トレース
まずはトレースについて。
その名の通り、参考の絵を下においてなぞることですね。
これは絵を描いたことがない人の入り口としていいと思います。
描いたことがないと、輪郭とか顔のパーツの位置とか、
意外と分からないことが多いです。
右も左も分からない状態で描きはじめて、
「うまく描けない!もうやだ!」
ってなるのはもったいないです。
なので、まずはトレースをしてみて、
「あれ?もしかして自分も絵が描けるかも!?」とか
「描くの楽しいわ!」と思うことができたなら、
効果としては充分です。
ただ、トレースばかりしても
トレースの技術が上がるだけで
自分の絵を描けるようにはならないので、
「描くって楽しいかも!」と思ったら、
サッサと卒業しちゃいましょう。
あと一応触れておくと、トレースは人の絵を
上からなぞったものなので、
自分の絵として公開するのはNGです!
模写
言葉の通りなら、お手本を横に置いて、
その通りに描くものです。
これもただマネするだけだとマネする技術だけが
上がって、自分の絵にはなりません。
なので、
「ここにはどうして影が入っているんだろう?」とか、
「この肌の質感いいな~どうやってるんだろう!?」とか、
常にどうしてそう描いているのか考えながら
模写するといいです。
とはいえ、情報を受け取るキャパシティは
人ぞれぞれです。
キャパシティが小さい上に欲張ると、
訳がわからなくなったり、
「うまくできない!つらい!」
になる可能性があるので、
今の自分に出来る最大限で考えて、
描いて、考えて、描いて・・・を
繰り返せばいいと思います。
あせらなくても
なぜ?を考えることを忘れずに続ければ、
かならずキャパシティが増えて
前の自分より認識できる情報量が増えていきます。
そうすれば
「あぁ~こうやっているのね!」とか
「前は分からなかったけど今はわかる!」
が増えていきます。
ただ、模写は技術を盗むという点で有効ですが、
こればかりだとやっぱりいつまでたっても
自分の絵が描けるようにはならないです。
わかることと、活かすことは違うのです。
なので模写をしつつ、模写で学んだことを
自分の絵にアウトプットすることが重要です。
模倣
模倣については、何も考えずに
ただマネすることと言っている人もいますが、
私は憧れの人のスタイルをマネたり、
考え方を取り入れたりすることと解釈しています。
なので、大好きな作家さんの
上辺の描き方だけを吸収する(模写)だけでなく、
どうしてこのような絵を描くに至ったか等、
人生や制作の裏側を見て、
その奥の考え方まで吸収する(模倣)ことを
よく意識してやっています。
というか、気になってやらずにいられない^^;
そもそも模写ってあまりやる気が起こらないんです。
建物や植物など、実物から何かを
取り込みたい場合は模写するんですが、
人の絵を横に置いてそのまま模写するのは
かなりやる気がなくなってしまいます。
子供の頃は好きな漫画やアニメの絵を
模写して喜んでたんですが、
今は他人の絵だという意識と、
自分の絵を描きたいという気持ちが
強くなったのかもしれません。
習字の時間や書初め大会も大嫌いで、
1枚適当にササッと書いたらあとはずっと
半紙に筆で絵を描いてたので、
もともとそういう性分なのかもしれない(笑)
そんな感じなので、
どうやって描けばいいか考えることを前提に、
好きな作家さんの絵を参考にして、
気に入った表現を自分自身や自分の絵に
試行錯誤しながら取り込んでいく模倣は、
私に合っていると思っています。
参考の絵をよく観察して技術を盗むところは
模写と共通しているし、自分の絵を描きながらなので、
欲しいと思った表現をすぐに試せるという
のが気に入っています。
まとめ
模写・模倣・トレースの違いについて説明しましたが、
結局、今の自分に必要であって、
自分に合っていると実感できる方法なら
どれをやってもいいんです。
どれも肝心なのは
考えること。
そして考えたことをアウトプットすること。
しつこいくらい何度も太字で書いてますが、
それくらい重要なことなんです。
絵って意外と体育会系ですからね。
何度も考えて試して考えて試して・・・
その繰り返し。
その繰り返しをすることで、
だんだん洗練されて自分のものになり、
自分の個性として昇華されていく。
地味だけどとても大切なものです。
「何をしたらいいんだ?」って
情報を取り入れることは大切ですが、
人の言うことを鵜呑みにして
「アレダメコレダメ!!」
「あーしなきゃこーしなきゃ!!」
だと義務化してしまって楽しくなくなって、
描くのをやめてしまいかねません。
なので、ある程度描き方を調べたら、
自分はどのレベルにいて何が必要なのか?
どんなやり方だったら続けられるのか?
自分自身とよく相談して、
どの練習をするか決めてください。
合わなかったらやめて
別のやり方をすればいいんだし^^
とにかく方法うんぬんとか、
誰それがこう言っていたよりもまずは、
「自分にとって何が必要なのか?」
「必要なものを吸収するには
どんな方法が適切なのか?」
など、つねに自分で考えることを忘れずに
行動してみてください。